公爵閣下の愛妻

第7章 お風呂場での仰天

  • テキストサイズ
部屋に着くと中に入って伊周が僕に寝間着を渡してくれた。
ものすごく滑らかな肌触りがしてびっくりした。
こんな高級な寝間着着てもいいんだろうか?
立ち尽くしていると伊周がおもむろに僕のシャツのボタンに手をかけた。
僕はギョッとして後ろに飛び退く。
えっ⁉︎何すんの⁉︎

「花さん?」

不思議そうに名前を呼ばれて僕は慌てて謝った。

「ごっごめんなさい!じ、自分で着るよ!その前にお水使わせてもらってもいい?」

「水?」

「うん、体拭こうかと思って」

そう言うと伊周がびっくりした顔をした。
あれ?僕変なこと言った?

「水⁉︎どうして水なの⁉︎風邪を引いてしまうじゃないか!まさか今まで水で体を洗っていたの?」

伊周の問いかけに僕はこっくりと頷いた。
伊周は瞬時に真っ青な顔をして「なんてことだ。風呂さえまともに……」とひどく絶望したような声で呟いた。
僕はキョトンとする。
でも伊周は悲しそうな顔をしながらも「今日からは温かいお風呂でゆっくり浸かって体を洗おうね。おいで」と微笑んで僕の手を引いて歩き出し近くの扉を開けた。
そこはお風呂場だった。
うわっすごい!綺麗な浴室!
白で統一されたタイル張りの清潔感あふれる内装。
中央には足が十分に伸ばせる大きな浴槽が置かれお湯がはってあった。
いつのまに。
しかも見るのが初めてのシャワーもある。
壁にかけられたお洒落な棚には見たこともないような外国語で書かれた小瓶が並べられ僕は興味津々にキョロキョロと見回した。
僕なんかが使っていいの⁉︎
外で洗うよ?
冬以外はそうだったし。
オロオロしていたら伊周が僕に声をかけた。

「花さん、はいバンザイ」

バンザイと言われ反射的に僕は両手を挙げた。
伊周は素早く僕からシャツを引き抜きズボンに手をかけた。
僕は咄嗟にその手を掴んだ。
きゃー⁉︎まっまっまさか脱がす気⁉︎

「おっ、お風呂は自分で入れるし自分で脱ぐよ!」

早口に顔を真っ赤にしながらそう言うと伊周は楽しそうに笑った。

「だーめ。疲れているのに一人で浴槽に入ったらきっと寝て溺れてしまう。一緒に入ろう」
/ 382ページ

この小説のURLを

メインメニュー

トップへ