公爵閣下の愛妻

第2章 お屋敷へ

  • テキストサイズ
「調べたのか……こいつは実子でもなんでもありません。私たちはこいつが生まれた時2つの性を見て絶望しました。我が家にこんな忌むべき存在が生まれたことに。こいつはこの屋敷のただの下男です。結婚などと戯言を!連れて行くのは勝手だが金など一切払いませんぞ!こいつに飽きてもここへは送り返さないでください。それに閣下もこいつの性を見たらきっと後悔される!」

怒りを滲ませた旦那様が口調をガラリと変え男性にそう吐き捨てた。
僕は心臓がぎゅっと鷲掴みにされたような感覚がしてズボンをきつく握りしめた。
涙が目尻に浮かんでくる。
な、泣いちゃダメ!

「実の子にそこまで……もっと早く出会えていれば……金?結納金のことですか?それは結構。いりません。私はお金にはあいにくと困ってはおりませんしむしろ使い切れずに困っているくらいですよ。ですが大事な花さんを貰い受けるのですからこちらからは改めて礼をさせて頂きます」

この人結納金って言った!
本気なの⁉︎ほんとなの⁉︎嘘じゃないの⁉︎
ブルブルと震えていたら頭上でふふっと笑い声が微かに聞こえた。
パッと男性を見上げると柔和な笑みで僕を見つめている。
よく見ると瞳が琥珀色だ。すごい綺麗!宝石みたい!

「後悔などどうしてするんですか?するはずがない。こんなに可愛らしいのに」

そう言って男性の手が僕の手を優しく握って手の甲にチュッと口づけをされた。ぎゃ!うわぁーーー!僕は一気に体が熱くなった。

「結婚を認めてくださり感謝します。花さんの身の回りのものは明日使いの者を寄越します。それではこれで」

そのまま優しく手を引っ張られ男性は僕を連れて部屋から出て行こうとする。僕は「あのっ?え?」と狼狽える。
すると旦那様が忌々しそうに僕を見ながら吐き捨てた。

「お前はもう二度と絶対にここへ戻ってくるな。解雇だ。最後まで私達を辱めて。閣下、金は一切いりません。結婚するからといって私達を親戚などと思わないでいただきたい。一切関係ない。やっと気味悪い疫病神が消えてせいせいする。もうそいつの顔も見たくない。お前、荷物も今取ってこい」

僕はそれを聞いて衝撃を受けて目の前が真っ白になる。
疫病神……解雇……。
そんな……どうしよう⁉︎オロオロと顔を真っ青にしていたら男性が「よくもぬけぬけと花に酷いことを」と恐ろしい声で呟いた。
怒っているのか顔を歪ませている。
/ 382ページ

この小説のURLを

メインメニュー

トップへ