公爵閣下の愛妻

第10章 満たされてへこんで勘違い?

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幸せすぎて良いんだろうかと涙が止まって鼻をズビッとすすっていたら伊周が顔を覗き込んだ。

「泣き止んでくれたね、私の花さん」

伊周はズボンからハンカチーフを取り出して僕の目元と鼻を拭いてくれた。
お礼を言おうと口を開きかけたらグゥゥゥ〜と盛大なお腹の虫が鳴った。
ーーーーー‼︎‼︎⁉︎
僕は一気に顔が真っ赤になった。
ここで⁉︎鳴る⁉︎昼食も食べて休憩の時に十一とお菓子もたくさん食べたのに‼︎

「ご!ごごごごごめんなさい!」

もーやだ。恥ずかしさで伊周の胸に顔を埋めた。伊周が僕の頬をくすぐるように撫でてクスクス笑った。

「謝らなくてもいいよ。いっぱい泣いたからお腹が空いた?爺、夕食を早められるか聞いてくれないかな」

後ろに控えていた藤原さんに伊周は問いかけた。
藤原さんは微笑んで「すぐにお聞きして参ります」と厨房へ足早に向かってくれた。
ああっ!僕のためなんかに本当すいません。
伊周は何やら片手でカサカサと手を動かして僕に声をかけた。
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