公爵閣下の愛妻

第3章 求婚

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「後ほどお茶のご用意をいたします。お庭で宜しいでしょうか?」

藤原さんが公爵様に問いかけ「うん、頼むよ」と答えて僕に目線を移して微笑んだ。
僕の持っていた風呂敷は公爵様が持ってくださった。
あわわ、恐れ多い!

「おいで、こっちだよ」

大きな手を差し出される。
僕は「はい」と言って後について行こうとする。
だけど公爵様はそこから動かない。
あれ?行かないの?

「手を繋いでくれないの?」

寂しそうな声でそう言われて僕はえっ⁉︎と差し出された手を見つめた。
なんと!この手は僕の手を繋ぐ為だったのか!
僕は一気に顔が熱くなった。
公爵様は手を差し出したまま一向に動かない。
どっどうしたら⁉︎
繋いでいいの?いいのかな?と思いながらおずおずと僕は手を出して公爵様の少し骨ばった大きな手にのせた。
公爵様はニッコリ微笑んで僕の手を優しく握りチュッと頭のてっぺんにキスをされた。
おおぅ!
驚いて公爵様の顔を見上げる。
公爵様は嬉しそうに琥珀色の瞳を細めて僕を見下ろしている。

「私の母は英国の出身なんだ。小さい頃からこうしたキスなどは日常でね。花さんにも慣れてもらいたいな」

今度は額にチュッと唇が落ちてくる。
ぎゃあ!ちっ近……!
ん?でもそうか、外国の血が入っているのか……道理で綺麗な髪や目の色をしているわけだ。
密かに納得してジッと公爵様の顔を見つめてしまう。
僕が見つめていたのが嬉しかったのか再び額にキスを落として邸の中の僕の部屋に案内してくれる。
その部屋に僕はまた驚愕した。
まさにお姫さまが暮らしていそうなほど豪華な広すぎる部屋だったから。
てっきり使用人部屋かと思っていたのに違った!
天蓋付きのレースのカーテンがかけられた3人くらいが余裕で寝れるほど大きなベッドに2人がけの机や肘掛、長椅子、ソファが置かれている。
しかもベッドの枕元には大きな熊のぬいぐるみがデンと鎮座していた。
思わず僕は駆け寄ってぬいぐるみに抱きついた。

「うわぁ!熊さんだ!」

自分とほぼ身長が同じくらいのぬいぐるみを満面の笑みで抱きしめる僕を公爵様は蕩けるような笑みを浮かべて見つめていた。
しまった!
ぬいぐるみで喜ぶなんて男なのに変だと思われただろうか……。
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