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鏑木ナチ の日記

ピックアップお礼SS 課長、ビジュアル的に攻は俺です!!
早瀬竜平が重大な〝うっかり〟に気づいたのは、ひとエッチ終えてベッドにぐったりと手足を投げ出したときのことだった。

今を去ること四ヵ月半前。
バレンタイン前夜の妖しいチョコレート作り講座をきっかけに、密かに恋い焦がれていた直属の上司でもある咲良悠一朗と瓢箪から駒でラブラブ交際がスタートした。
以来、週末はお泊まりイチャイチャが習慣となり、順調に愛を育んできた(はず)ものの、いまだかつて面と向かって「好きだ」と言ってもらっていないのだ。
そのことに気づいた以上、愛の言葉を囁いてほしいと望むのは人情だ。
早瀬は、腕枕で安らう咲良に問うた。

「課長、俺のこと好きですか……むごぅ、うぐぐがが……」

質問をキスで遮るのは、あざとい。
早瀬は内心ぼやき、しかし二ラウンド目になだれ込まれるにやぶさかではないのだ。
ちなみにガチムチ系の早瀬が受で、スレンダーな咲良が攻である(詳しいいきさつは「課長、ビジュアル的に攻は俺です!!」を参照のこと)。

正攻法では駄目だ、からめ手でいこう。
別のある日、早瀬はそう思って実行に移した。

「課長はお酒が好きですよね」

「人並みには好きだな」

「猫も好きですよね」

「愚問だ。大! 大! 大好きだっ!」

猫カフェデートを楽しんだおりに、咲良がキャストの猫を片っ端からモフり倒したことは記憶に新しい。
早瀬はもちろん動画を撮りまくり、毎晩、それを活用している。
何に? オカ……あわわ。

「じゃあ、俺のことは好きですか」

「腹がへったな。なにかつくってくれないか」

くぅう、と早瀬は梅干のような皺を顎に寄せた。
イケズ、と嘆きつつもいそいそとおさんどんに励んでしまうあたり、典型的な惚れた弱みといえた。

かくして誘導尋問作戦はあえなく失敗に終わったが、ドンマイ自分! だ。
早瀬は再び一計を案じた。
折りしも七夕が近い。
なので短冊に〝課長が俺のことを好きだと言ってくれますように〟としたため、しかるのちにその短冊を結わえつけた笹を飾る場所に迷っているふうを装い、ソファに腰かけて書類を読みふける咲良の前を行ったりきたりした。

「早瀬、さすがにきみのようなガタイのいい男にうろちょろされては目障りなのだが?」

「すみません。それはそれとして課長も願い事を書きましょう。伝統行事は大切にしなきゃです」

早瀬は、例の短冊が咲良の目にとまるように笹をひらひらさせた。
すると咲良は眼鏡を押し上げ、〝白紙〟の短冊をためつすがめつしだした。

実は、それには煩悩丸出しの願い事が特殊なインクで書かれている。
水で上からなぞると文字が浮き上がる仕組みで、

「ああ! どうして水をかけちゃうんですか!」

「うちの会社のヒット商品で何かよからぬことを書いたに違いない、と勘が働いたのだが、ビンゴだな」

そう言って咲良が微笑むと、ぞわぞわと鳥肌が立つ。

「〝咲良さんが俺の下でアンアン啼いてくれますように〟──とは、なかなか洒落たことを願うじゃないか。では」

と、眼鏡のレンズがきらりと光ったときには時すでに遅し。
早瀬は下半身を裸にむかれ、ソファに仰向けに横たわった咲良に跨る形に貫かれ、腰を振る羽目に陥っていた。

「かっ、課長、違います! こう……俺のアレなナニを課長のですね、さるところに挿入しましてですね……んん」

「きみの胎内でねんごろにもてなしてもらい、アンアン啼く。趣旨に沿っている」

詭弁だ、と早瀬がぷうっと頬を膨らませると、その頬を優しくつつかれた。

「おれのシンボルが雄々しく屹立する意味が、わからないのか」

「エロ魔人だから、ですか?」

デコぴんを食らった。

もしかして、と早瀬は唾を飲み込んだ。

「俺のことが好きだから、とか……?」

天使の笑顔ではぐらかされたが、ひと回り大きくなったそれが、正解と告げている。
早瀬はデレデレと眉を下げた。
そして、最奥で猛り狂う〝咲良〟を食み締めた。

固く心に誓う。
きたる誕生日には、絶対に「好きだ」と言ってもらうのだ。








2017-03-29 22:57:14

日記へのコメント

  • >チョモさま

    先般、感想をいただいたさいの一文、咲良さんに「好きだと言ってもらっていない」がこのSSに結実しました。

    早瀬のもてあそばれっぷりが書いていて楽しくて、楽しくて。
    ヒントをありがとうございました。

    さて、誕生日ですが。
    おそらく早瀬はバースデイケーキを自ら焼き、飾りのマジパンプレートに「好きと言ってください」とチョコレートで綴り、そのケーキを咲良さんにお披露目したところ、証拠隠滅とばかりにさっさとプレートを食べられてしまったあげく「なんのことだ」とトボけられちゃう。
    かくして今回も撃沈、と。

    要するに咲良さんは、早瀬の反応が可愛くていじめちゃう、というパターンです。
    鏑木ナチ 2017-03-30 22:19:35
  • 鈴木ナチ 様

    おぉーー!
    例のSSですか!?

    ん~相変わらず、早瀬は咲良さんのペースにどっぷりハマってると言いますか、ハメられてるのか(笑)

    それに、可なり尻に敷かれてる…(苦笑)

    早瀬の目論見が悉く外れて、ニヤけてしまいます☆


    シンボルが…というのは、男性ならではの表現!
    そこに愛がこもってるって事が言いたかったのかな?(笑)

    早瀬の攻めへの拘り?願望かな?
    それと、「好きだ」の言葉を、BDに期待してます♪

    楽しく読ませて頂きました~
    有り難う御座います☆


    チョモ 2017-03-30 01:23:30

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