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鏑木ナチ の作者ニュース

レビューお礼、プラスSS

>チョモさま
はじめまして、そして、たくさんのレビューをありがとうございました。
謝意を表す、といってはささやかなものですが「恋はひそやかに薫る」の第一章を受けての一情景をお届けいたします。

   
   ☆★☆★☆

 その夜、紺野は喜びつつもヘコむという複雑な心理状態にあった。
 かねてから気になっていた人物と、初めて親しく言葉を交わすことができた──実にめでたい。
 彼が既婚者か否か聞きそびれてしまった──我ながらツメが甘いったらない。
 結婚指環ははめていなかったが、それが即ち独身だという証明にはならないのだ。
 もしも妻帯者であれば、自分の存在をアピる前に玉砕決定だ。

 悲観的になるのはやめよう、と自分に活を入れた。
 実家の庭にときどきやってきた野良猫は、ネコジャラシであやしても撫でさせてくれるまで1年かかった。 
 そのときと同様に、長期戦覚悟で彼との距離を縮めていこう。

「妹尾柾樹さん、か……」

 ゲットした名刺を表に裏にひっくり返した。
 名前の部分にキスをしたくなったが、さすがにそれはキモいだろう、と思いとどまった。
 ともあれ、その名前は清潔な印象を受ける彼に似合っている。
 新しいパックの封を切り、

「あしたも妹尾さんに会えますように」

 おねがい煙草の儀式をした。


   ☆★☆★☆

 

 個人的には、妹尾に触れたいがために紺野がタヌキ寝入りをかます電車の場面が気に入っています。

 

2016-10-29

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